市民の生活向上や行政の効率化のため，都市の状況理解が求められている.都市の状況理解を可能にする ためには，人々の生活の様子や都市の空間的特徴を把握する必要がある.本研究では，回収日以外の日に集積所に投 棄されたゴミの残渣の種類と発生地域の関係に着目する.商店街周辺でダンボールの残渣が発生しやすいように，ゴミの残渣は地域の空間的特徴に影響を受けて生じていると考えられる.本研究では，参加型センシングによって取得 されたゴミの残渣情報を用いて，この空間的特徴について分析する.しかしながらゴミの残渣情報は，時間的にも空 間的にも流動的な人によって収集されるため，全ての残渣をセンシングすることは難しい.そこで，残渣情報に確率 モデルとして解釈した行列分解を適用する.行列分解によって得られた因子行列を分析し，ゴミの残渣の種類ごとの 起こりやすさや地域の類似性などについて考察を行う.